動物が虫歯にならないのはなぜ?その理由や歯周病にはなりやすい理由を解説

      2025/02/20

こんにちは、綾瀬駅前の歯医者、メリー歯科です。

「野生動物は歯磨きをしなくても虫歯にならないのだろうか」
「虫歯や歯周病は、人間以外にもできるのだろうか」

人間と違い、野生動物は虫歯になることはほとんどありません。
ペットとして飼われている動物は、野生動物に比べて少しリスクが高くなりますが、それでも虫歯にはなりにくいという特性を持っています。
今回は、動物が虫歯になりにくい理由やペットの歯周病を予防する方法、人間が虫歯や歯周病になりやすい理由を解説します。

 

野生の動物に虫歯ができない理由

食べ物に砂糖が含まれていない

野生動物が自然の中で摂取する食物は、基本的に砂糖を含んでいません。
農作物や加工食品がない自然環境には砂糖や高カロリー食品が存在しないため、虫歯の原因となる要素自体が少ないことが、野生動物に虫歯ができない理由です。
草食動物は果物も食べますが、その果物も過剰に糖を含んでいるわけではなく、肉食動物に至っては肉を中心とした食生活であり、糖分にほとんど依存していません。
糖分の摂取が少なければ細菌も増殖することができないため、虫歯のリスクが少ない口内環境が維持されています。

 

唾液量が多く、自浄作用が高い

野生動物は大量の唾液を分泌することで、食べかすや細菌を洗い流し、口の中を清潔に保っています。
唾液にはリゾチームやラクトフェリンといった抗菌成分が含まれており、これが細菌の繁殖を抑制し、虫歯の進行を防ぎます。
また、唾液は食物の消化にも一役買っています。
食べ物を柔らかくして飲み込みやすくするだけでなく、消化を助ける酵素も含まれており、消化器官への負担を減らす役割も果たしています。
このように唾液の分泌量が十分であることも、野生動物の虫歯リスクが低い要因の一つです。

 

唾液が弱アルカリ性である

動物たちの唾液が弱アルカリ性であることも、虫歯予防に役立っています。
多くの野生動物の唾液は、pH7.0から8.5の範囲にあるとされており、これは虫歯菌にとって活動しにくい環境です。
一般的に虫歯菌は酸を好むため、アルカリ環境では増殖が抑制されます。
犬や猫の唾液は特にこのアルカリ性が強く、虫歯菌の抑制作用が高い状態に維持されています。

 

歯に溝が少なく、細菌が蓄積しにくい

野生の動物の歯の構造も、虫歯になりにくい要因の一つです。
人間は、歯の上部の面にデコボコとした溝ができていますが、野生動物の歯はそのような溝が少なく、食べ物のカスや細菌が留まるスペースが少ない形をしています。
このような生理的特性が、虫歯を予防しやすくしています。

 

ペットとして飼われている動物の場合

野生動物の虫歯リスクが低い一方で、ペットとして人間とともに生活している動物は、野生動物よりも虫歯のリスクが高まります。
これは、甘いおやつや加工されたペットフードに砂糖が含まれていることが多いためです。
また、ペットたちは自然での狩猟活動などを行わないため、運動量が減り、唾液分泌量も少なくなりがちです。
このような理由から、ペットとして飼われている動物たちは、野生動物よりも虫歯のリスクが高い状況になっています。

 

動物が歯周病を患うリスク

人間に比べて動物は虫歯になりにくいものの、歯周病にかかるリスクはゼロではありません。
特に動物園で飼われている動物や家庭でペットとして飼育される動物は、自然な食生活が制限されていることから、歯周病の発症率が高まります。
アルカリ性の唾液は虫歯は抑制することができますが、歯周病菌にとっては繁殖しやすい環境であることも、動物が歯周病を発症しやすい理由の一つになっています。

動物が歯周病になった場合、人間とは異なる症状がでることがあります。
例えば犬が歯周病になった場合は、口臭や歯ぎしり、よだれの増加といったイメージしやすい症状のほか、硬いものを食べるのを避けたり、頭を頻繁に振るようになったりといった、一見歯周病が原因とは思えない症状が出ることもあります。
また歯周病が重症化することで、顎骨の骨折や鼻炎、鼻出血につながることもあります。

 

ペットの虫歯・歯周病予防方法

ペットの歯の健康を守るための方法の一つは、市販されているデンタルケアグッズを活用することです。
デンタルガムは食べることで歯垢を取る働きがあり、デンタルペーストや液体デンタルケアは抗菌作用があります。専用の歯ブラシを使った歯磨きも大切です。
食事に関しては、やわらかいウェットフードよりもドライフードのほうが、かむことで研磨作用を発揮し、歯垢を取り除く働きが見込めるため、虫歯や歯周病を予防しやすくなります。
このような食生活の見直しにより、大切なペットの健康を守るようにしましょう。

 

人間が虫歯や歯周病になりやすい理由

人間が虫歯や歯周病になりやすい理由の一つが、現代の食生活です。
私たちの食事には、高糖質な食品や加工食品が数多く含まれています。また、加工食品は粘性が高く、歯にくっつきやすいため、歯垢が形成される原因にもなります。

唾液の分泌量の減少も、人間が虫歯や歯周病になりやすい理由の一つです。
唾液には口内を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ働きがありますが、ストレスや加齢、さらには薬の副作用によってその分泌が減ることがあります。
唾液が十分に分泌されないと自浄作用が働かず、虫歯や歯周病の進行を助長してしまいます。

生活習慣の変化などにより、不規則な食生活や間食がめずらしいものではなくなっていることも、歯の健康を損なう原因です。
加えて、現代社会でのストレスも、口内環境に影響を及ぼします。
慢性的なストレス状態にあることで、免疫力が低下し、口内の細菌バランスが崩れてしまうリスクがあるためです。
また、喫煙や過度の飲酒、睡眠不足といった生活習慣も、口内環境を悪化させる要因となります。

 

まとめ

野生動物は虫歯や歯周病になりにくいものの、ペットとして生活している動物には歯周病を中心とした口内トラブルのリスクがあり、健康を守るためには人間と同様にデンタルケアや食習慣の見直しが必要です。
愛するペットの歯の健康を守るために、日常的なデンタルケアを心がけ、起こりうるトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

 



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