顎関節症は癖になる?セルフチェックや予防の方法を解説

   

こんにちは。綾瀬駅徒歩1分の歯医者、メリー歯科です。

「口を大きく開けることができない」
「口を開けようとすると痛みがある」

このような症状がある場合、顎関節症の可能性があります。
顎関節症の発症には習慣が大きく影響するため、癖になってしまっているという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、顎関節症になる原因や予防方法を解説します。

 

顎関節症とは

顎関節症とは、「咀嚼筋の痛み」や「顎関節の雑音」「口の開けづらさ」「顎の動きの異常」を主な症状とする障害をとりまとめた病名です。
主な診断方法は顎の動きや痛みの検査、問診、レントゲン検査であり、必要に応じてMRI検査や心理テストが行われることもあります。

  • 顎関節痛・咀嚼筋痛
  • 開口障害
  • 顎関節雑音

上記のうち一つ以上の症状があり、ほかの病気を患っていない場合は、顎関節症だと診断されます。

「口を開けるときに音がする」という症状がよく知られていますが、音がない場合でも痛みや開けづらさがあれば顎関節症の可能性があります。

顎関節症は二人に一人が経験する病気といわれており、めずらしいものではありません。
実際に歯科医院を受診される患者さんには女性が多く、中でも20代から30代の女性が多いとされています。

 

顎関節症の原因

以前は、「かみ合わせの悪さ」が顎関節症の原因だと考えられていました。
しかし近年では、さまざまな要因が重なることで徐々に関節や筋への負担が大きくなり、顎関節症を発症すると考えられています。

歯ぎしり

顎関節症の原因の一つとしてまず挙げられるのが、歯ぎしりです。
特に就寝中に無意識で歯ぎしりをしている場合、起きている間の数倍の力で顎に負担をかけていることになります。
その状態が続くことで、顎関節に異常をきたしやすくなると考えられています。
また、激しい疲れや強いストレスがあると、歯ぎしりをしやすくなります。そのため、疲れやストレスも顎関節症の間接的な要因になると考えられています。

 

食いしばり

食いしばりとは、上下の歯を強くかみ合わせる動きのことです。
何かに集中しているときや就寝中などにしてしまいやすいですが、歯ぎしりのように音が鳴らないため、自分では気づきにくいという特徴があります。
食いしばりは顎に強い力がかかるため、顎関節症になりやすいとされています。

 

かみ合わせの異常

歯並びやかみ合わせの乱れは顎関節や筋肉への負担となるため、顎関節症の要因となります。
天然歯だけでなく、詰め物・かぶせ物や入れ歯があっていない場合にも顎関節症を引き起こすリスクを高めますので注意しましょう。
虫歯や歯周病で抜けた歯がある場合、その状態で放置することもかみ合わせの乱れの要因になります。

 

上下の歯を接触させる癖

TCHという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、「Tooth Contacting Habit」の頭文字をとったものであり、「歯列接触癖」と訳されます。
その名の通り、上下の歯を接触させる癖のことです。通常、食事中や会話時以外の口を閉じている際は、上下の歯はかみ合わせず、お互いに触れていない状態です。それに対しTCHをお持ちの方は、口を閉じている際にも無意識に上下の歯を接触させています。

近年、顎関節症の患者さんの半数以上が、このTCHを持っているということがわかってきました。
また、TCHをお持ちの方は、顎関節症の治療を開始しても痛みなどの症状改善までに時間がかかるということもわかってきています。

 

頬杖

頬杖も、顎に負担をかけるため顎関節症の要因になるといわれています。
そのほかには「片側の歯ばかりで物をかむ癖がある」「顎と肩で携帯電話や受話器を挟む癖がある」「爪や筆記用具などを噛む癖がある」「長時間ガムをかむ」といった癖や習慣も顎関節症の発症リスクを高めます。

 

うつぶせ寝

うつぶせの体勢は、顔面に力が長時間かかり続けます。
そのため、顎のバランスや歯並びが崩れるといった悪影響があります。

 

自分でできるチェック方法

下記のような症状に思い当たることがある場合、顎関節症の可能性があります。

  • 口を開けると、こめかみや耳の上あたりが痛む
  • 物をかむと、こめかみや耳の上あたりが痛む
  • 口が開かなくなることが時々ある
  • 口を開けたときに、縦三本分の指が入らない
  • 口を開けたときに音がする
  • 顎が外れることがある
  • 口の開け閉めがスムーズにできない
  • 鏡を見ながら口を開けた際に、顎がかくかくと動いたり左右に揺れたりしているのが確認できる
  • 頭痛や首・肩の凝り、耳の痛みなどがある

そのほか、「起床時に顎に疲れを感じる」「えらが張ってきたような気がする」といった場合は、顎関節症の予備軍の可能性があります。

 

治療が必要な場合とそうでない場合とは

顎関節症は、一時的に症状が出て、その後自然に緩和することがあります。
そのような場合、症状の重さにもよりますが、一週間から一カ月程度で自然に快方へと向かうため、様子を見ても問題ありません。
ただし、症状が長引いている場合や日常生活に支障が出ている場合は早めに医療機関を受診しましょう。

 

顎関節症の治療方法

顎関節症の治療は、「生活指導」「理学療法」「薬物療法」「アプライアンス療法」の大きく四つに分けられます。

生活指導とは、顎関節症の原因となっている日常的な癖や習慣を見直し、症状の改善を図るものです。うつぶせ寝や片側で物をかむ癖を避ける、硬いものを食べないようにする、頬杖をやめるなど、原因に合わせて治療していきます。症状が軽い場合には、これらの生活習慣の見直しだけで改善する場合があります。

理学療法とは、マッサージやストレッチ、レーザー照射、下顎可動化訓練、筋力増強訓練などです。マッサージやストレッチなどは、方法を覚えれば自分で行うこともできます。ただし、間違った方法だと症状を悪化させたり別のトラブルを招いたりする恐れがあるため、歯科医師の指示に従って進めることが大切です。

薬物療法では、主に消炎鎮痛薬を使用し、顎や筋肉の痛みの改善を図ります。症状に応じて、ほかの薬を使用する場合もあります。

アプライアンスとは口腔内に入れて治療を行う器具や装置の総称であり、顎関節症に対するアプライアンス療法とは主にナイトガードやスプリントを使ったマウスピース療法を指します。就寝時の歯ぎしりや食いしばりを避けるためや、顎関節への負担を軽減するためなど、症状や原因に応じて使用します。

 

顎関節症の予防方法

顎関節症を予防するためには、できるだけ顎関節への負担を避けることが大切です。
「片側の歯だけで物をかまない」「硬い食べ物は避ける」「大きく口を開ける必要がある食べ物は避ける」「頬杖をつかない」などは、意識して取り組むことができるので気を付けてみましょう。
また、疲れやストレスは歯ぎしりや食いしばりの原因となるため、できるだけ疲れをためないようにすることや、うまくストレスと付き合うことも大切です。

 

まとめ

顎関節症は命を脅かすような病気ではありませんが、悪化すると日常生活に支障をきたし、QOL(生活の質)を低下させます。
悪習慣を意識して正すとともに、違和感に気づいたら早めに歯科医院を受診し治療を受けましょう。

 



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