お酒が好きな人は虫歯・歯周病のリスクが高くなる?その原因や対策を解説
2024/08/20
こんにちは、綾瀬駅前の歯医者、メリー歯科です。
適度な飲酒は、ストレス発散や友人・同僚とのコミュニケーションなど、さまざまな点でメリットがあります。
しかし、気を付けていないと虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうのをご存じでしょうか。
アルコールが直接虫歯・歯周病をつくるわけではありませんが、お酒の種類や飲み方には注意が必要です。
その理由や対策、また、歯の治療中にお酒を飲むことのリスクについて解説します。
お酒が虫歯・歯周病のリスクにつながる理由
酔うと歯磨きがおろそかになる
「酔っぱらって歯も磨かずに寝てしまった」「飲み会から帰ってきた後は何もしたくなくなる」というのは、多くの方にとって経験があることではないでしょうか。
お酒に酔うと、脳の働きが鈍くなり、感情や食欲などの本能的な部分が活発化します。
それによりお酒を飲んでいないときよりも理性が働きづらくなり、歯磨きや入浴などが面倒になってしまうのです。
「お酒を飲んだ後も歯磨きを欠かさないようにしている」という場合でも、いつもより適当になってしまっている恐れがあります。
そのような状態で寝ると、口の中に残った歯垢の中で虫歯菌や歯周病菌が増殖してしまいます。
また、アルコールを飲むと利尿作用が働くほか、アルコール分解のために水分が使われます。
そのため口の中が乾きやすく、自浄作用や抗菌作用を持つ唾液の量が少なくなるため、より細菌が繁殖しやすい状態になってしまうのです。
このように、歯磨きを忘れてしまったり、歯磨きが不十分になってしまったりすることが、お酒が虫歯や歯周病のリスクにつながる原因の一つです。
糖分が多く含まれるお酒を飲んでいる
そもそもアルコール自体には、直接虫歯菌と結びつくような成分はありません。
しかし、お酒に含まれる糖分は虫歯菌の大好物です。
そのため、ビールや日本酒、カクテル、チューハイ、ワインなどの糖分を多く含んでいるお酒を好んで飲む方は、そうでない方に比べて虫歯のリスクが高くなります。
長時間の飲食が虫歯リスクを高める
お酒を飲むと楽しくなり、ついだらだらと飲み続けてしまう方も多いのではないでしょうか。
この、「長時間お酒や食べ物を口の中に入れている状態」にも虫歯のリスクがあります。
飲食によって糖分が口の中にとどまっている時間が長くなり、糖分を分解して酸を生成する菌が活発に動いてしまうためです。
生成された酸は歯のエナメル質を溶かし、虫歯をつくります。
「朝まで飲んでいることもある」という方は、特に注意が必要です。
口の中が乾燥しやすくなる
「お酒を飲むとすぐにトイレに行きたくなる」ことは、飲酒経験がある方ならほとんどの方が身をもって実感しているかと思います。これは、アルコールが持つ利尿作用によるものです。
アルコールが抗利尿ホルモンを抑制することで、頻繁にトイレに行きたくなってしまうのです。
そのため、お酒を飲んでいる最中や飲んだ後は、体内の水分が少なくなり、口の中も乾きやすくなります。
そして、この「口の中が乾く」ことも、虫歯のリスクを高める要因です。
口の中の汚れを洗い流したり、再石灰化を促したりする役割を持つ唾液の分泌量が少なくなることで、口内環境が悪化しやすくなります。
唾液には、そのほかにも粘膜保護や組織修復、発がん予防などの作用があるといわれており、口内はもちろん、全身の健康維持においても大切な働きをしています。
歯の治療中にアルコールを飲むことのリスク
抜歯などの外科治療後
虫歯や親知らずで歯を抜いた後に「今日はお酒を飲むのは控えてくださいね」といわれたことがある方もいらっしゃるかと思います。
これは、アルコールが血行を促進することで、抜歯した箇所の血が止まりにくくなってしまうためです。
同様の理由から、スポーツや入浴も、抜歯当日は控えるようお願いする場合が多くなっています。
治療の程度によっては、当日だけでなく翌日や翌々日もアルコールを控える必要がありますので、歯科医師の指示に従うようにしてください。
虫歯で歯に痛みを感じている場合
アルコールによって血流がよくなると、神経にまで到達した虫歯の炎症が激しくなり、さらに痛みを増すことがあります。
悪化すると夜も眠れないほどの痛みとなる恐れがありますので、できるだけ早く治療を開始しましょう。
麻酔後
虫歯になった部分を削るために麻酔を行った場合など、大掛かりな治療をしていないのであれば、当日のアルコール摂取は可能な場合がほとんどです。
ただし、麻酔が効いている間は感覚がマヒしているため、口の中をかんでしまうなど思わぬケガにつながりやすい傾向にあります。
そのため、飲食は麻酔が切れてからにしましょう。
虫歯や歯周病に気を付けながらお酒を飲むためには
糖分の少ないお酒を飲む
糖分は虫歯菌のえさとなってしまうため、できるだけ糖分の少ないお酒を飲みましょう。
具体的には、ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ジン、ラムなどです。
これらを甘いジュースなどで割ってしまうと意味がないので気を付けてください。
また、アルコール度数の高いお酒ばかりなので、量はほどほどにとどめておきましょう。
おつまみを工夫する
チョコレートやドライフルーツなどをおつまみにしている場合は、虫歯になりやすくなります。
唾液の分泌を促進する、するめや小魚などのよくかむ必要があるおつまみを選ぶのがおすすめです。
時間を決めて飲む
だらだらと長時間にわたって飲まないために、時間を決めて飲むようにしましょう。
お酒と一緒に水も飲むようにすることは、酔いによる判断力低下を避けるためにも、唾液量の低下を避けるためにもおすすめです。
酔っても歯磨きをしっかりする
お酒を飲んだ後にしっかりと歯磨きをしてから寝ることが、虫歯や歯周病を防ぐためには何よりも大切です。
また、身体が脱水に傾いている状態ですので、寝る前に水を一杯飲んでおくと、寝ている間の唾液量が少なくなりすぎるのを防ぐことができます。
また、翌日の朝は前日の磨き残しをすべて落とすつもりで、念入りに歯を磨きましょう。
まとめ
お酒を飲むことが日々のリフレッシュや癒しになっている方も多いかと思います。
「だらだらと飲み続けない」「歯磨きをしてから寝る」といったことに気を付け、これからもお酒の時間を楽しんでいきましょう。
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